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エンゲージメントを高める「お役立ちイメージ」 (1)「お役立ちイメージ」とは

「従業員エンゲージメント」に注目が集まっています。従業員エンゲージメントとは、「個人と組織が対等の関係で、互いの成長に貢献し合う関係」のことです(HRプロ「用語集-エンゲージメント」2019.10.16閲覧)。ES(従業員満足)やロイヤルティ(会社への忠誠心)と混同しがちですが、個人と組織が、共通目標達成のために、互いの強みで貢献し合う関係性であると考えれば、その違いも見えてくるでしょう。

今回は、従業員エンゲージメントを高めるための、「お役立ちイメージ」の確立をご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.個人と組織の「個の確立」が求められている
  2. 2.お役立ちイメージとは
  3. 3.ある住宅販売企業のYさんの話
  4. 4.お役立ちイメージ 実践上のメリット
    1. 4.1.1.自分自身のプラスのサイクルが回り始める
    2. 4.2.2.情報活用力が飛躍的に向上する
    3. 4.3.3.自己コントロール力が高まる
    4. 4.4.4.戦略思考が強化される
    5. 4.5.5.お役立ちイメージ実現の同志が増える



個人と組織の「個の確立」が求められている


社会は、大きな変革期を迎えています。第四次産業革命といわれる科学技術の発達により、SDGsやSociety5.0で示されるように、社会のあり方そのものが変化し、「その人らしい生き方・暮らし方・働き方」の模索も始まっています。企業は、多様性を活かした新たな価値の創出、イノベーションの創出が求められるようになりました。社員もまた、新たな価値を創造し、より良い社会づくりに貢献していく使命を担っています。

そのためには、個人も組織も、「このことには誰(どこ)にも負けない、このことでこれだけの貢献ができる」という、コア・コンピタンスと、それに基づいたビジョンが確立できていることが必要です。

ジェックでは、これを、個人と組織の「個の確立」と言っています。

さらに具体的に整理をしました。

  • 個人の「個の確立」…理念を腹におとし、仕事における「自分自身のお役立ち意識をベースにした使命感」を持って、「自分はこのことでは、誰にも負けない。このことでこれだけの貢献ができる」ことを証明するだけの基本的考え方とスキルが確立されている人
  • 組織の「個の確立」…理念に基づいた、「オンリーワン」企業で在り続ける事

このように、理念に共鳴しあい、強みが明確になっている「個が確立」した個人と組織が、エンゲージメントしてこそ、市場に役立つ価値を提供し続けることができるのです。

今回は、その中でも、個人の「個の確立」にある、「自分自身のお役立ち意識をベースにした使命感」に着目していきます。



お役立ちイメージとは


人は、「自分のため」よりも「誰かのため」の方が、その力を発揮できるものです。また、何かを達成したときも、「自分が満足した」というより、「誰かの役に立って、喜ばれた」方が充実感を感じることができます。こういう体験ができると、もっと誰かの役に立ちたい、喜ばれたいと思うようになります。

この「人の喜びが自分の喜びと感じる意識」のことを「お役立ちイメージ」といいます。


お役立ちイメージは、大きくわけると、以下の三つで成り立っています。

  1. お役立ちの源泉の発見 … base 自分の力が発揮できる「状況」は何かを発見します
  2. お役立ち使命の確立 … will やりたいこと(志)、can できること(強み)、must 会社から期待されていること(理念含む)の接点を見つけ、この会社(組織)で何を成し遂げたいかを描きます。
  3. お役立ちビジョンの構築とその具現化 … 長期・中期・短期の順で、実現のシナリオを描きます




ある住宅販売企業のYさんの話


ある住宅販売の企業様にお伺いしたときの話です。

その企業様のYさんは、「住宅産業に関わったということは、人生の誇りだ。なぜならば、これほど永く、深く、お客様と関われる仕事は少ないと、自分は思っている」と、おっしゃるのです。単に「家を売る」こともできます。ですが、Y氏は、お客様のライフプランに関わり、売った後も、お客様のご家庭の変化とともに、一緒に歩もうとされ、長いお付き合いをされています。「このように、何十年もお客様とかかわりを持って、信頼され、相談してくださる。そんな素晴らしい仕事はありません。」とおっしゃっているのです。


住宅を一棟売ることそのものも、お客様への「お役立ち」です。しかし、「生涯のお客様・パートナー」というお役立ちイメージに基づいた「お客様への生涯のお役立ち」と、「一棟売るだけのお役立ち」とでは、「お役立ちの質と量」が根本的に違ってくるのです。


私たちは、「この会社・この組織・この仕事」を通じて、「小さなお役立ち」で満足するのではなく、このYさんのように、「大きなお役立ち」を目指したいものです。



お役立ちイメージ 実践上のメリット


お役立ちイメージを確立することで、いろいろなメリットが生まれます。


1.自分自身のプラスのサイクルが回り始める

「お役立ちイメージ」を発揮しやすい状況をつくろうとするので、自分が楽しいと思うことや、お役立ちの対象になる人に会おうとするようになります。そうすることで、楽しい・役立っているという実感が持てるようになり、好循環の仕事ができるようになります。


2.情報活用力が飛躍的に向上する

「これを成し遂げたい」「こういうふうに役立ちたい」と思い続けることで、そのことに関する情報感度が高くなり、その情報をいかに活かそうかと考えるようになります。


3.自己コントロール力が高まる

自らが目標を設定し取り組むことで、PDCAを自ら回すようになります。また、自分のモチベーションの保ち方や、強みの活かし方がわかっているので、良好なメンタル状況を保つこともできるようになります。


4.戦略思考が強化される

お役立ちイメージが明確になると、長期・大局・根本をにらんで、「今」何が役立つのかを考えられるようになります。つまり、「あれもこれもやる」のではなく、「選択」と「集中」を図ることができるようになります。


5.お役立ちイメージ実現の同志が増える

このお役立ちイメージを共有することで、志を同じくする仲間が見つかったり、互いの強みを活かしあう仲間ができたりするので、未来を共につくる同志が増えていきます。


このように、「お役立ちイメージ」を確立することは、私たちにとって、さまざまなメリットを生み出します。


次回は、「お役立ちイメージ」作成法について、ご紹介します。


  エンゲージメントを高める「お役立ちイメージ」 (2)作成の3ステップ 後編では、「お役立ちイメージ」作成の3ステップについてご紹介します。個人と組織が、理念に共鳴し合い、共通目標達成のために、互いの強みで貢献し合う関係性を築くための、「お役立ちイメージ」の作成法をご紹介します。 [実装用アカウント]株式会社ジェック①



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