セルフスターターでいこう!
セルフスターターとは「(上司などからの)指示を待つだけではなく自発的に行動ができる人」ということです。
そのための第一歩行動とは何でしょうか?
振り返りもなくただ仕事をやっているだけでは、うまくいかない事実だけに意識がいってしまい「自分はこの仕事に向いていないかも」と思い始めてしまうこともあるのです。
「ポジティブになれるようにいろいろやっていますけど、なかなか...」というご相談を受けました。
そこで、今回は前向きな気持ちを維持し、活き活きと仕事をするための方法の一つとして、「PDCA」について触れたいと思います。
「PDCA」とは、例えば
「年初に目標を立てる」→「その日標を達成していくために計画を立てる」→「計画に沿って一年間仕事をしていく」→「一年間を振り返り、修正した上で次年度の計画を立てていく」といったことで、もちろん「そんなことは当然やってます」「そもそも会社の仕組みでやってます」という方も多いと思います。
ではなぜ、この「PDCA」についてあえて触れているのかをお話しします。
組織で仕事をする大きなメリットであると共に、落とし穴ともなり得ることの一つに、「組織として、すでに仕組みができあがっている」ということが挙げられます。
仕組みがすでにできあがっているから、その仕組みどおりに指示されたことをやっていれば、大体、無事に一年の仕事を終わらせることができます。
また、仕事のノウハウやスキルは組織に蓄積されているので、そのとおりにやっていれば、誰でもある程度順調に成長できますし、二、三年経てばほとんどの人が一人前の仕事ができるようになるでしょう。
しかし、同じような仕組みの中でも、新人の間で、成長度合いや組織に対する貢献度合いなどに開きが出てくることがあります。
それはなぜでしょうか。
さまざまな要因がありますが、「PDCA」サイクルを意図的に回しているか否かが非常に大きな要因であることは間違いないでしょう。
なぜなら、計画→実行→振り返り→修正→計画→実行...のサイクルが短いスパンで確実に回っている場合には、振り返りによる修正で、より具体的なスキルアップにつながり、達成するためにはどうすればよいか計画の見直しもできているため、「必要なスキル(期待される能力アップ)を計画通りに身に付ける」ことができます。
では、PDCAサイクルが回せていない場合とは、どういう状態でしょうか。
冒頭の相談者もそうだったのですが、例えばやることを計画し実行していたものの、計画→実行→実行→実行...で振り返り以降のステップができていませんでした。
うまくいかなかった時の修正やうまくいったことの積み重ねができず、ただやっているだけでは、うまくいかない事実だけに意識がいってしまい、「自分はこの仕事に向いていないかも」と思い始めてしまうこともあるでしょう。
重要なのは「振り返り」と「修正」です。
最初からすべてうまくいくことはありません。
実行したときに振り返ることで、「何が原因でうまくいかなかったのか」「うまくいった要因は何か」この点を客観的に把握し、それを次に活かすことがステップアップにつながるのです。
原因がわかれば修正すればよいし、うまくいった要因がわかっていればそれを続ければよいのです。
PDCAは一つの習慣です。目標を達成しようとするとき、自らのスキルアップをするとき等にも常に回せるように意識しましょう。それを積み重ねることで習慣となります。
PDCAを自ら回すことが習慣になっているあなたとそうではないあなたは、10年後どれくらいの違いが生まれているか想像してみてください。
*本原稿は、株式会社ジェック「行動人」442号から転載・加工いたしました。