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「中核社員」として、他部門を動かす

他部門が情報をくれない

機械メーカーに勤める入社十一年目の営業社員石川さんと、上司の山口課長の会話です。

石川さん:しかし、CEの連中は本当に頭にきますよ。
山口課長:CEって、我々がお客様に納入した機械のメンテナンスを担当しているカスタマーエンジニアのことですか?
石川さん:そうです、そのCEです。私が担当しているお客様の工場長が、先月急に異動になったことを教えてくれなかったんですよ。今日久しぶりに訪問して恥をかきました。
山口課長:そうですか。でも、石川さんが気付かなかったのも悪いんじゃないの?
石川さん:でも、CEは頻繁に工場を訪問しているんですから、教えてくれたっていいじゃないですか。
山口課長:石川さん、君はまだまだ他部門を動かせていないですね。


部門を超えた情報共有が必須の時代

石川さんの会社のように、部門間の連携がうまく取れず、お客様にご迷惑をおかけするケースは珍しくありません。

部門間の連携が悪い企業の特徴として、「営業が悪い」「サービスが悪い」「開発が悪い」と、お互いに感痴を言い合う点が挙げられます。要するに、「うちの部門は悪くない。そっちの部門が何とかしろ」という他力本願的な感覚なのです。

景気の良い時代なら、部門間の連挑が多少悪くても、勢いで何とかなったかもしれません。しかし、今は「アフターサービス部門がつかんだ情報を営業の提案に生かす」、「営業がつかんだ情報を製品の開発に生かす」、「開発がこだわっている製品のポイントを、営業やサービスにしっかり伝える」など互いに情報を流通させ、一致団結していかなくてはライバル企業に勝てません。それも、スピーディな情報共有が必須です。

そのような状況を中心になって作り出す台風の日、それが「中核社員」です。


他部門に知り合いがいるだけでは「単なる中堅」

石川さんは、入社十一年目であり、いわゆる「中堅」ですから、他部門に少なからず知り合いがいるはずです。しかし、他部門が情報をくれないことに愚痴をこぼしているのが現状です。

もしかしたら、石川さんはカスタマーエンジニアの人たちに「何か営業に役立つ情報があったら教えてほしい」と働き掛けていたのかもしれません。それなのに、情報を教えてもらえない。
それは、山口課長が言っているように「他部門を動かせていない」からなのです。
つまり、「中堅社員」であっても、「中核社員」ではありません。
では、どうすれば他部門を動かし、情報共有の台風の目である「中核社員」になれるのでしょうか?


他部門を動かすために必要な3つのポイント

他部門を動かすためには、少なくとも次の要素が必須です。


①自ら他部門に情報を提供する
石川さんは、「カスタマーエンジニアが情報をくれない」と嘆いていますが、自分はカスタマーエンジニアに情報を提供しているのでしょうか。
「情報は、発信する人に集まる」と言われます。まずは、自分が他部門に情報を提供することが大前提です。

部門を超えて情報を提供する人がいると、「あの人の動きは素晴らしい」、「手本にしよう」という声が出て、全社的に部門を超えた情報提供が起こりやすくなります。


①もらった情報へのフィードバックをする
「この前○○さんに教えてもらった情報のおかげで、契約が決まりました!」など、もらった情報へのフィードバックを心掛けることが大切です。

フィードバックされた相手は、「自分の情報が役に立った!」と喜んでくれるはずです。当然、「また、情報を提供してあげよう」という気持ちになり、繰り返し情報提供をしてくれるようになります。


③「お客様への「お役立ち」を語り合う
営業もカスタマーエンジニアも、同じお客様を訪問していますが、このようなケースで部門を超えた話し合いを行っている企業は多くありません。

中核社員は、自ら「○○の工場について少し話をしませんか?」と部門を超えて働き掛けます。そして、どのような活動をすればお客様にもっと喜んでいただけるか、お役に立てるかと熱心に話し合います。

その場で、「そうだ。全社を挙げてもっとお役立ちしなくてはならない」とお互いに感じることができれば、当然情報共有をはじめ、協力が生まれるきっかけになるはずです。


思い切って行動し中核社員を目指せ!

他部門に知り合いはいるものの、働き掛けずに愚痴だけを言い続ける単なる「中堅社員」か、他部門を動かして全社の情報を共有させる動きをする「中核社員」か。そのどちらになるかは、先ほどの①から③のような、いわば「当たり前」の行動を取るかどうかにかかっています。

しかし、実際にそのような行動を取っている社員は多くはありません。もしかしたら、一人もいない企業もあるかもしれません。
「そうか、そういう人は少ないのか、じゃあ、やらなくていいや」と思ったあなた、その考え方が中核社員になる道を閉ざし、自分自身の存在価値を下げています。


<中堅社員の部門連係・チェック>

□ 自ら他部門に情報提供をすることがあるか
□  他部門から情報をもらった際は、フィードバックを欠かさないか
□  他部門に自ら働きかけ、お客様へのさらなるお役立ちについて話し合っているか
□  必要だと思ったら、誰もやっていなくても行動しているか


*この記事は株式会社ジェックの「行動人」447号より転載・加筆いたしました。

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