フィールドサービスエンジニアに必要な能力~モノを通じてコトの提供をする
エンジニアの仕事は、目の前に機械があるため「モノ」に接する仕事と認識しがちです。
確かに、機械に触れ対応をしていますから「モノ」を提供していると言えなくはないでしょう。
しかし、よく考えると、エンジニアは機械そのものを販売するのではなく、設置や修理点検という目に見えない技術・サービスを提供しています。元々、エンジニアは「モノ売り」ではないのです。
機械が壊れて動かない不便な状況であれば、その不便さを解消(修理)するのがエンジニアの仕事です。
エンジニアの仕事は、当たり前のように、お客様の仕事や生活に影響を与えています。
にもかかわらず、エンジニア研修を担当していると、そのことを意識していないエンジニアが多いように感じます。
「機械の直りが遅かったり直らないと、お客様にイライラされて報告がやりにくい…」
そんな話をエンジニアから聞くことがあります。
なぜ、機械の状況でお客様の機嫌が変わるのか、考えれば答えは出てきます。
機械の状況がお客様の仕事や生活に影響を与えているからです。
まずは、自分の仕事がどれだけお客様に影響を与えているか、自覚し誇りを持ちましょう。
その自覚があると、多くのエンジニアが苦手意識を持っている、提案やアドバイスという行為がとてもしやすく、また、質の良いものに変わっていくのです。
保守点検やリプレースなどの提案は、壊れていないものに対してお金を払うコトを提案するからか、多くのエンジニアが避けたがります。
そこには、「お客様に売り込みの話をすれば、嫌な顔をされるかもしれない。信頼関係が損なわれるかもしれない」という意識があるようです。
しかし、例えば保守点検をすれば、突発的な故障を防ぐことができます。
突発的な故障がなくなれば、「生産を止めなくても良い」、「仕事が滞らない」、「快適に過ごせる」、「機械を安心して利用できる」など、お客様にさまざまな良い影響をもたらします。
お客様がより快適に仕事や生活ができるための提案であれば、提案することでお客様との信頼関係が損なわれることはありません。
自分の仕事の結果、お客様の生活が良くなる「コト」を提供していると自覚すれば、提案の際にその「コト」を伝えることに躊躇はないでしょう。
改めてですが、エンジニアは「コト」を提供する仕事です。
皆さんは、どのような影響をお客様に与えていますか?
少し考えてみましょう。
その気づきが、自信につながり、提案やアドバイスがやりやすくなります。
是非、試してください。
<参考>