フィールドサービスエンジニアに必要な能力~機械から顧客の変化を読み取る
ジェックが提供するエンジニアの意識診断の設問例です。
➤「お客様を取り巻く市場の変化や、お客様の業務の変化は、取り扱っている機械の変化にもつながる」
→回答の選択肢:そう思う or そう思わない or 分からない
➤「機械は情報の宝庫である。機械を見ると、お客様の業務の変化まで見えてくる」
→回答の選択肢:そう思う or そう思わない or 分からない
この設問はどちらも、取り扱っている機械の状態でお客様の業務の変化が分かるかを確認しているものです。しかしこの2つでは、正答率で統計上20%以上の差が出ています(企業によってはもっと差が出る場合があります)。
1つ目の「お客様を取り巻く市場の変化や、お客様の業務の変化は、取り扱っている機械の変化にもつながる」は、95%を超える正答率です。
市場環境が変われば機械も変わってくるという認識は、大抵のエンジニアが持っていると言えるでしょう。
2つ目の「機械は情報の宝庫である。機械を見ると、お客様の業務の変化まで見えてくる」は、正答率は70%台で、企業によっては、50%台の場合もあります。
また、エンジニアの意識診断では、回答に「分からない」という選択肢があります。
実は、この「機械は情報の宝庫である。機械を見ると、お客様の業務の変化まで見えてくる」という設問の、「分からない」と回答した率は他の設問に比べて高めです。
推察ですが、「機械からお客様の業務を推察するなんて考えたことがない」という方が多いと思われます。
お客様の業務が変わったのに、使っている機械が今までと同じであれば、何かしらムリをした使い方をする、またはまったく使わなくなるなど、機械の使い方に変化が出てくるものです。
単純なところでは、稼働率が上がったりすることもあるでしょう。
「消耗部品の減りが大きい」、「利用カウンター数が通常より大きな差が出ている」、「経年劣化の時期が早すぎる」、「故障の原因となっているものは、通常の使い方であればここまで影響は出ない部品だった」などは、定期メンテナンスで エンジニアは気づくのではないでしょうか?
いずれもちょっとした「あれ? 何かいつもと違う?」という違和感です。
この違和感を掘り下げて考え、業務やオペレーションで「何か違いが出てきている?」と予測ができると、報告やその後の情報収集の際に、質問やアドバイスができるようになります。つまり、エンジニアの行動が変わってきます。
会社の方針に、「エンジニアの提案やアドバイスの量を増やしていく、もしくは、お客様からさまざまなことをヒアリングをする」などが打ち出されている場合があります。
これらを、コミュニケーション力だけで乗り切ろうとしても、限界があります。
そのため、普段向き合っている機械から、話のきっかけを掴みましょう。
きっかけが、お客様のご事情に合っていれば、話は今まで以上に弾むでしょう。
今まで意識していなかったことに、少しだけアンテナを広げてください。
お客様対応が、よりやり易くなるはずです。
今日訪問するお客様の機械は、普段はどのような状況でしょうか?
前回と何か差はあるでしょうか? その差の原因は何でしょうか?
あるとしたら、オペレーション? 業務量? 業務の質?
ちょっと考える時間を取ってみましょう。
<参考>