主体性を高めるための3つの行動
さらに求められる「主体性がある人材」
変化の激しい時代に企業が生き残っていくためには、柔軟で自由な発想を持ち、自分から意見を発信できる主体的な人材が必要不可欠です。また、働き方の変化においても、テレワークやリモートワークなど周囲の目がない環境で仕事をするためには、自分を律して前向きに取り組む主体性がなければ、結果を残すことが難しいと言えます。
「主体性がある」とは、「自ら考える力が高いこと」
主体性とは「自分の意志・判断で行動しようとする態度(デジタル大辞泉)」です。ビジネスシーンでは、言われる前に「何をするべきか自分で考え、自分で決めて行動できるという」意味で捉えられています。自ら動くということは同じですが、自主性は行動力の高さ、主体性は自ら考える力の高さを重視しています。
何か問題が発生した時、自ら考える力が高い人は、「なぜ問題が発生したか、再発しないためにはどうすればいいか」など疑問を持ち、解決の方向に考えを向けられます。近年、問題や原因に対してすぐスマホやパソコンに答えを求めてしまい、自ら考える習慣が身についていない人が多い傾向にあると言えます。スマホやパソコンは情報収集ツールとしてはとても優れています。それらを分析し判断するには、自ら考える力が必要です。情報をうのみにするだけでは情報に振り回されてしまうでしょう。
主体性のある人の特徴
・自分が何をすべきかを自ら考え判断し行動できる
・仕事に対するモチベーションが高い
・新たな仕事を創出できる/業務改善ができる
・責任感が強い/失敗してもリスタートが切れる
・リーダーシップがある
自ら考える力を強化する3つの行動
「自ら考える力」を強化するためには、以下のような機会を設けることが大切です。
個人の3つの行動
・自分で考えて決断するクセをつける
・自分なりの意見を持つようにする
・自己肯定感を高める
組織の3つの行動
・自身で考えて判断する場をつくる
・チャレンジしやすい環境をつくる
・成功体験を積ませ、自信を持たせる
また、人は、自分の信念や使命感など「譲れない想い」があると、それを達成するために考え行動します。
「お客様を笑顔にしたい」「周囲の人を楽にする」「ありがとうと言われる仕事をする」など、自分の「譲れない想い」が明確になると、何をすべきかが明確になります。そして、譲れない想いの実現に向けて行動することが、仕事に対する高いモチベーションにもつながります。自分にとって「譲れない想いは何か」を見つめる機会を設けることはとても有効です。
モチベーションの高さは、仕事の習熟度を高め、周囲との関りを増やします。そうして収集した知識や情報や人間関係で、さらに「どうすればいいか」を考え、それが新たな価値創出や改善につながることになります。
主体性を発揮できない環境になっていないか
企業の理念やビジョンが浸透しておらず社員は目指すべき方向が分からない、社内のコミュニケーションが足らず連携が取れていない、必要な知識など情報が不足している、などの環境では、主体性を発揮するのは困難です。
さらに上司からのフィードバックがないことも要因となります。
主体性は稀有な資質ではありません。すべての人が持つ能力です。主体性が発揮できていないのであれば、適切な環境を整備すること、そして教育することで、主体性のある人と組織をつくりましょう。