現場成果につながる「振り返り」とは
ビジネス演習室 初級管理者編
マネジメント力強化の研修を受講された多くのご受講者が、「実践無くして、成長無し。成長無くして、成果無し」という信念のもと、「メンバーとの対話の習慣化」を決意表明されます。
ところが、その後の現場実践報告会では、「メンバーとの対話を定期的に実施できていない」とおっしゃる方が少なくありません。
その理由はさまざまですが、その中でも特に気になるのは、「忙しいメンバーに上司の自分からしつこく結果を問い詰めるのは悪いと思ったから」という意見です。
「振り返り」への誤解を解け
なぜそう思ったのかと尋ねてみると、「振り返りとは、メンバーを監視する手段だ」というとらえ方をしているケースが多いようです。
一方で、「定期的な対話による振り返りを始めてから、メンバーから『仕事に自信が持てるようになった』と感謝された」と言うリーダーもいます。
そこで、成果の手応えを感じているリーダーの方々に振り返りとは何かと尋ねると、「振り返りとは、PDCAの機能化でメンバーの自律的成長を支援する手段だ」というとらえ方をしているようです。
正しい振り返りがO-PDCAの習慣化につながる
次に、現場成果が上がりやすいという観点から「正しい振り返り」のポイントを、現場でありがちな落とし穴を中心に確認しましょう。
次の5つの項目の中で、ご自身に該当する項目があればチェックしながらお読みください。
1.緒果としての業績数字そのものに手を打とうとするだけで、計画実践のための行動変化の度合いを見逃してしまう。
2.マイナス点(うまくいかなかったことやできていない行動)ばかり言ってしまい、メンバーの自信喪失を加速させてしまう。
3.表面的な行動の有無の確認だけに終わってしまい、行動の原因となる考え方や制度・仕組みなどの根本原因まで掘り下げない。
4.チェック方法やうまくいかないことの想定などを踏まえた、確実な行動の決意がないまま対話を終わらせてしまう。
5.メンバーに考えさせ、話をさせる時間よりはるかに多くの時間をリーダーが話すことに費やしてしまい、メンバーがやらされ意識に陥ってしまう。
セルフチェックの結果はいかがでしたか。
では、ここまでを踏まえて、「正しい振り返り」のポイントを実際にやってみましょう。
演習「現場成果につながる正しい振り返り」の実践
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*本原稿は、本原稿は株式会社ジェック「行動人」442号より転載、一部加筆しました。