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サービスエンジニアとコールセンターの連携

会社のファン客を創っていくうえで、お客さまとの最初の接点になるコールセンターと、現場でお客さまに直接接するエンジニアの連携は不可欠です。

共にお客さまのお役に立つために協力していくことが必要とされる2部門ですが、お互いを批判する声が出ていることも事実です。何が原因なのでしょうか?


顧客対応の目指す姿の共有

お互いの対応を認められない理由の一つとして、目指していることが異なることがあります。

例えば、エンジニアが「お客さま先に着いたときには、事情が分かっていてすぐに対応に入りたい」と考えていたとします。
反面、コールセンターでは、「とにかく早く出向いて、エンジニアが状況を把握して対応してほしい」と考えていたとします。
それぞれが考えている「お客さま先での最初の行動」が異なっています。

この場合、エンジニアは事情を知りたいので、コールセンターに対し、
「もっとお客さまの話を聞いておいて欲しい」と思うでしょう。

対してコールセンターでは、「電話で時間をかけるより、早くエンジニアが現場に向かった方が良いのだから、電話で長話はしたくない」と考えるでしょう。

お互い悪気はないのですが、意見の対立が生まれてしまいます。

このように、顧客対応の目指す姿を共有できていないと、お互いが良かれと思ってやっていることが、相手にとっては、不足していたり過剰だったりしてしまい、うまく連携ができなくなる恐れがあります。


それぞれの権限を明確にする

顧客対応のあるべき姿を明確にしたところで、次に必要になってくることが、それぞれの「権限」を明確にすることです。

複数の人がかかわる場合に発生する問題として、「○○ではこう言っていた」「○○と言っていることが違う」など、言った・言わないという状況が発生することです。

お客さまとのやり取りでの鉄則は、「嘘、誇張、曖昧なことは言わない」と「権限内で答えること」です。
「嘘、誇張、曖味なこと」は本人が注意していれば防ぐことができます。
しかし、「権限内」については「権限」が明確でないと、本人が良かれと思って言ったことが、権限以上だった場合に問題が発生してしまうことも多々あります。

例えば、エンジニアが状況を見て伝えるべき点を、コールセンター側で「お客さまが聞いてくるから...」と、「たぶん」「恐らく」と前置きして答えてしまうと、お客様から「電話では〇〇と言っていた!」となる可能性が出てきます。お客さまにとって「たぶん」「恐らく」は関係ないのです。この場合は、「お伺いしたエンジニアが確認後、お答えさせていただきます。」のように、いつ、誰が答えるのかを明確に伝えることが必要です。

また、コールセンターの役割が、いわゆる「フロント」と呼ばれるような、金額設定の役割を担う場合もあります。そのような場合、エンジニアが、現場で勝手に金額を伝えてしまっては問題です。

ただ、これらも「それぞれの職種での権限を明確にする」ことで防げることです。何を伝えて良いのか、誰が答えるべきなのかを明確にし、共有しておきます。

これらを共有しておけば、自分が答えられないことでも、誰が答えるのかが分かっているので、お客さまに自分では答えられない旨を伝える際、ただ断るのではなく、「いつ、誰が答えるのか」といった、今後の対応を伝えることができます。
そうすれば、お客さまの感情ケアも可能となります。

また、答えられない質問をされた場合、なぜそのようなことを質問されたのか、事情を聴いておくと良いでしょう。
予算のことであれば、「ご予算がありますでしょうか?」のように、上限があるのか聞いておけると、相手への伝達の際に「予算が○○とのことなので、超える場合には、前もって伝えてください」と伝言ができます。


現場連携は、社内連携から

現場での連携を可能にするためには、社内での連携が不可欠です。

普段から、お互いが何を目指しているのか、どのような知識を持っていて、どのような判断ができるのか、お互いを知っておくことが必要です。

また、各部門をまとめる管理職の立場でお互いの立場を明確にして、情報共有する制度を整えていくことも望まれます。
現場での連携だけを期待し、社内でお互い何を考えているかも分からないようでは、結果は望めません。お互いを理解することからスタートしましょう。


<チェックリスト>
□お互いに、顧客対応のあるべき姿を共有できていますか?
□あるべき姿を実現するために、各部門がすべきことは明確ですか?
□誰が何を伝える立場かは、明確になっていますか?
□答えられない場合、どのように伝えたらよいか、トレーニングはできていますか?

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