会社のファン客をチームで創る
個人の能力を向上させて、「○○さんのファン」という関係につなげていくことは、非常に重要です。その結果「○○さんがいる会社に、またお願いしたい」となることもあります。
しかし、通常は「△△会社のファン」となるには、顧客接点すべての担当者の質が問われることになります。
顧客接点とは
一般的にサービス部門に関係する部門で、顧客接点に該当する職種は、サービスエンジニア、コールセンター担当者、営業、事務担当者、そして開発担当者があります。開発担当者は、直接的には接点がないように見えますが、開発した商品・サービスをお客さまが利用するわけですから、間接的には顧客接点に当たります。実は、このようにすべての職種が何らかの形で顧客との接点を持っているのが実情です。
こういった職種すべての対応が、お客さまにとって「会社を評価するタイミング」になるのです。
例えば、サービスエンジニアの対応がどんなに良くても、コールセンターの対応が悪いのでは、「修理対応はしてくれたけど、感じの悪い会社」と評価されてしまう可能性があります。もちろん逆もあり「電話対応は良かったのに、来た人は最悪」と評価され、トータルで会社の印象が悪くなることもあります。
また、営業とサービスエンジニアの言っていることが違うとなれば「あの会社は信用できない」となるでしょうし、事務担当者との連携不足で、請求ミスや遅れがあっても「信用」は勝ち取れないでしょう。
他にも、サービスエンジニアや営業に使い勝手の悪さを何度も言っているのに一向に最新機種に反映されてこない、機械の機能不足を指摘すると開発担当者のせいにする、などのサービスエンジニアや営業がいたら、会社に対する信頼は勝ち取れるでしょうか?
このように、会社のファン容を創ろうとするなら、各顧客接点での対応の質が高いレベルで統一されていることが望まれるのです。「仮に一人ひとりの能力が高かったとしても、質にばらつきがあったり、連携ができていなかったりするだけで評価は低いものとなりかねません。
お互いの連携で注意すべきこと
では、連携する上で重要となることは何でしょうか?
① 全員が会社の代表である
② お客さま対応をしている時は、会社の対応すべてに責任を持つ
この2つの意識がまず必要です。
①については、「お客さまは、自分を通して会社を見ている」という自覚を持つことです。自分の評価が会社の評価になっていることを意識するだけで、立ち居振る舞いに変化が生まれるはずです。
挨拶や話す内容など、個人の能力が高く「代表」としての立ち居振る舞いができれば、会社全体の対応の質も高いレベルで統一されるでしょう。
②ついては、本当に責任を取れというのではなく、「誰かのせいにはしない」ということです。何かご指摘を受けた際に「それは、営業のミスで」や「コールセンターはその点、知識不足で」などと「私ではありません」という態度では、信用を勝ち取ることは無理ですし、何より社内で責任の擦り付け合いをしているようでは、社内の信頼関係も築けません。
営業とサービスエンジニアがお互いを非難し合って、仲が悪いなどと聞くこともありますが、これでは連携はできません。まずは、会社の代表として責任を背負う立場として「ご期待に沿えず申し訳ございません」と対応できるのかどうかが問われます。
そして、各自が責任のある対応ができれば、対応の質も高いレベルで統一ができていくでしょう。
これらの意識の上に、実際の連携活動が展開されていきます。
特に情報の連携は重要です。情報が連携されているかどうかは、各場面で対応の差を生みます。各部門間での情報量に差が出ないように注意が必要です。
次回は、「サービスエンジニアとコールセンターの連携」について具体的に触れていきたいと思います。
<チェックリスト>
□あなたのファン客は、個人のファン客ですか? 会社のファン客ですか?
□会社の代表として、お客様に接していますか?
□他の職種との連携を意識していますか?