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リーダーとメンバーの創造性を発揮しやすい関係性づくり<前編>

激しい環境変化に適応するためには、組織もそこで働く個人もそれぞれに変わっていくことが求められます。しかし、改革を支える人のメンタルヘルスが損なわれたら、改革自体が危ぶまれます。
変化に伴うストレスを健全化し、メンバーが創造性を発揮しやすい環境をつくるためのポイントは、良好な上下の関係づくりです。この関係性について考えてまいります。


変化に伴うストレスと上手に付き合うために~2つのストレス


変化に伴う過労、無茶な要求、悪い人間関係などは、心身を苦しめ、やる気をなくす「悪玉ストレス」となります。
そして、夢や目標、ライバルとの切磋琢磨など、成長に向けて人を動機づけてくれるものが「善玉ストレス」です。
ストレスを感じたときに、「悪玉ストレス」を「善玉ストレス」に変換できる人材づくりは今後より一層求められます。「悪玉ストレス」を減らし「善玉ストレス」が増えることで、ストレスは健全化し、創造性を発揮し、業績成果に結びつけられるからです。このストレスの健全化の心理的能力を、ジェックではメンタルバワーと呼んでいます。

そして、メンタルパワーを強化するためには、「リーダーとメンバーが、現状をより良くする知恵を共に出し合える関係」をつくることが必要です。


関係をつくる4つのプロセス

関係性づくりには4つのプロセスがあります。それぞれのプロセスの目的を整理します。

①関係促進
メンバーの心の扉を開かせ、対話のパイプができる、親近感をつくるプロセス

②納得促進
メンバーの面倒を見る責任感と組織運営の力量が、リーダーにふさわしいという納得感をつくるプロセス

③パートナー促進
敬遠感を払拭し、心の触れ合いを作り、尊敬し好きでもあるという心服感をつくるプロセス

④共創促進
使命感、やりがいの火が燃えて、創造力発揮が増進される高揚感をつくるプロセス

中でも「共創促進」の関係づくりが一番のストレス軽減策となります。
各段階に適した対応を取ることでストレス軽減され、メンタルパワーが強化されていきます。




第1段階「関係促進」


この段階では、リーダーとメンバーは人間関係ができていません。対象としては、組織に入ってきた新人や関係性ができていないメンバーです。

新人は、リーダーに対して、良い印象を持ってもらいたいと思う傾向が強いものです。従って、最初は上にはあまり抵抗しないで、割と品行方正な動務状態になります。
こじれた上下関係を「他人関係」と呼んでいますが、この段階のメンパーは、リーダーに対しては、心は赤の他人であり、表面上は従順を装っていることが多いです。

この段階で親近感を持ってもらえず関係促進ができないと、新人も「他人関係」のままで関係性が進展せず、お互いに悪玉ストレスがたまり、組織の相乗効果が上がりにくくなります。


この段階を成功させるためのリーダーの打ち手


「関係促進」では親近感をつくることが目的です。対等の雰囲気で親近感を感じさせることがメンバーの疎外感を弱め、お互いのストレスが軽減されます。

<そのための具体策>
①職場と方針を売り込む
それによって、メンバーは仕事に前向きになり、良い関係を築ける

②メンバーを理解する
リーダーが積極的に理解しようとする態度を見せることで心の扉が開き、関係づくりにつながる

③リーダーがメンバーを認めていることを理解してもらう
相違や対立を受容することは相手を認めていることの理解につながり、関係性が進む

④愛情を持って親切に教える
安心感のある人間関係が築け、育成指導が進む

⑤対等の一個人としてメンバーに関心を持つ
メンバーの感情が好意的になり、人間関係の良い印象が築ける

⑥こじれているメンバーにはカウンセリングをする
改悛を迫るのではなく、カウンセリングで心を開くことにより、関係修復がなされ人間関係とチームが維持できる


「関係促進」のチェックポイント

次のような打ち手になっていないかチェックしてみましょう。
□  育成など職場の方針を軽視し、経験させればよしとする
□  メンバーにリーダーの立場を理解させようとする
□  リーダーに対する敬意を払わせようとする
□  体験だけで成長させようとする
□  メンバーを自分の手足、道具としてみている
□  改悛を強要する


第2段階「納得促進」


第1段階の関係促進がうまく進むと、親近感を持ち「感じの良いリーダーだし、良い職場だ。ここで働きたい」という気持ちが強まります。しかし、本当に面倒を見てくれるリーダーかどうかはまだ確信が持てない状況です。

第2段階の「納得促進」とは、リーダーに対して「メンバーの面倒を見る責任感と組織運営の力量があり、リーダーにふさわしいという納得感」をつくるプロセスです。このプロセスがうまくいかないと、メンバーは「リーダーにふさわしくない」と抵抗感を持ち、「他人関係」へと関係性が悪化してしまいます。


この段階を成功させるためのリーダーの打ち手

①許されることと許されないことが理解できるしつけをする
依存の不安を取り除くことができる

②一人ひとりを主人公にした目標と自己統制によるマネジメントを進める
マネジメントに納得感を持たせ、業績につながる

③自分(メンバー)に関係がある事柄の決定について参加を促す
より主体的で建設的な意見が出やすくなる

④情報を活用した影響力で動かす
市場情報や現場情報を活用すれば、影響力が発揮でき、効果的な組織運営につながる

⑤業績評価、賞罰、配置、登用をできるだけ納得のいくように進める
組織運営がスムーズになる

⑥「心・技・体」をトータルに磨く
できることが増えて自信が生まれ、さらに成長しようという姿勢に変わる


「納得促進」のチェックポイント

次のような打ち手になっていないかチェックしてみましょう。
□  謙虚さと服従をしつけようとする
□  目標と結果のみを管理しようとする
□  権威ある命令の影響力で動かそうとする
□  業績評価、賞罰、配置、登用に口出しさせないようにする
□  精神力のみを鍛えようとする
□  「会社のため」という使命感で納得させようとする
□  身分をわきまえた行動をとらせようとする

※後編につづく

  リーダーとメンバーの創造性を発揮しやすい関係性づくり<後編> 改革に伴うストレスを健全化し、メンバーが創造性を発揮しやすい環境をつくるためのポイントは良好な上下の関係づくりです。後編は「パートナー促進」「共創促進」です。 株式会社ジェック


※参考※

  意欲と自律で動く職場づくり|株式会社ジェック 多様な働き方が一般的になる一方で、変化への対応が難しく苦しむケースも少なくありません。カギとなるリーダーとメンバーの関係性づくりについて考えます。 株式会社ジェック ​​​​​​​


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