フィールドサービスエンジニアに必要な能力~技術面に偏っていないか?
ジェックが提供する「エンジニアのための意識診断」では、仕事に関する意識や自分の能力に関する意識の傾向を知ることができます。
ある企業では、
エンジニアは、「修理(メンテナンス)をすることが仕事」であり、そのために必要な能力は「技術」優先である という結果が多くみられました。
このような場合には、エンジニアは「人と接する仕事」であることを再認識する必要があります。
また、他の企業では、
エンジニアは「機械を通じて、お客様の業務や生活を支援している」、そのために必要な能力は「技術」優先である という結果が多くみられました。
この企業では、おそらく社内風土や教育により、個人レベルで「お客様のお役に立つ」ことの重要性を理解しているのだと思います。
仕事を通じて、誰かに感謝されることの重要性と楽しさを、個人レベルで理解できていることは良い職場風土だと思います。
しかし、そのために必要な能力が「技術」優先になっていると、態度や基本的なマナーや礼儀がおろそかになりがちで、「仕事はできるけど、付き合いにくい人(会社)」と評価されてしまう可能性があります。
また、「機械を直してお客様の役に立って、お客様に喜んでほしい」と本音で思っているエンジニアで、お客様対応などの対人能力を重視している場合は、お客様の反応が思ったより薄かったり、不機嫌な態度やクレームを受けたりすると、「頑張っているのに評価されない」というストレスを感じてしまうこともあります。
「技術」と「対人能力(お客様に接する態度)」は、どちらかを優先するのではなく、どちらも重要だと考え、お客様に接することが大切です。
この意識傾向のアンバランスが生まれる原因は複数あります。
・新人教育の際、「技術」を優先し「対人」の重要性に触れない。
・修理ができずにクレームになった事例の共有が多く、顧客対応の問題が表に出てこない。
この2点は組織の風土が影響しています。
新人のうちは、技術を指導する必要があるのでどうしても偏りがちですが、その際にお客様との接し方についてまったく触れないようであれば、技術に偏った意識傾向になりがちです。
また、エンジニアの態度が原因で、お客様が報告内容に納得できずクレームになる事もあった場合に、対人能力が不十分であることに目がいかず、結果としてクレームの原因は技術不足と判断され、社内で共有されることがあります。
このような繰り返しにより、組織内で「技術」優先の傾向ができあがります。
エンジニアに技術力は必要ですが、今エンジニア部門に求められているのは機械の修理やメンテナンスだけではありません。
お客様に対してソリューション提案ができるエンジニアが求められています。
そのために以下のようなシーンが多くなります。
・お客様のお困り状況を聴く
・お客様が気づいていないお客様の効率アップのための課題を見つける
・お客様企業のさらなる成果向上のための提案を行う
その際に必要なコミュニケーション力などの対人能力が重要になってきます。
ご自身や組織として、「技術さえあれば、お客様の業務や生活を支えられる」という傾向が強いなら、今一度、お客様に接する態度の重要性を考えてみましょう。
<参考>