お役立ち道経営の行動理念(8) - 一人ひとりの成し遂げたいことを支援する
「お役立ち道」の軸で情報を串刺しにして、社会をより良くする新たな価値を共創する。そのための行動理念
より良い社会を創るために、一人ひとりの「役立ちたい」意識を活かし、新たな価値を共創する「お役立ち道経営」。それを具体化していく上で必要とされるのが、五つの行動理念です。
最終話の今回は、「お役立ち道の経営姿勢」について、代表の葛西が語ります。
「お役立ち道経営」五つの行動理念 実践ポイント
1.「お役立ち道」の仕事ぶりを磨く
- どのような仕事でも、次工程を意識して仕事をつないでいくことで、必ず社会へのお役立ちにつながっている。「私はお役立ちのバトンを渡す一員だ」と自覚しよう
- そのために、自ら仕事に意味付けをし、仕事の次工程へのお役立ちと、上下左右へのお役立ちを考えて、地道に工夫を重ね、できることを拡げて磨いて、その道のプロになろう
- こうして「お役立ちイメージ」と強みが確立できれば、今所属している組織の外でも活躍ができる。所属している組織とお役立ちイメージがマッチすると、「この組織(会社)」で仕事をする意味がみつかる
2.お役立ち道の人間観に立つ
- 「誰かの役に立ちたい」という意識は誰でも持っている。たとえ小さな仕事でも、真心や相手への思いやりを込めて、仕事の工夫を繰り返す。これはとても尊いことである
- 「自分の中にはお役立ちの意識がある」「他の人にもあるように、私にも素晴らしいところがある」と信じて、お役立ちイメージを膨らませていこう
- これを意識し続けて実践していくと、幸せの元素が大きくなり、知恵が湧きできることが増え、仕事が楽しくなる・謳歌できるようになる。さらには自分の人生も変わり、周りも変わる
3.「お役立ち道の文化づくり」のコォ・イノベーターを目指す
- 個人でやる面白さもあるが、チームでやるともっとおもしろく、お役立ちの成果も大きくなる
- チームでやると、自分の強みを自覚することができる。強みと強みを活かし合うことで、チームワークが生まれる。チームワークの醍醐味を味わってほしい
- チームの目的は「社会へのお役立ち」に向かうこと。自分の強みで、チームに良い影響を与えられる“コォ・イノベーター”になろう。自分の強みを活かせば、誰でもコォ・イノベーターになれる
4.価値共創のパートナーを実践する
- 向かい合わせのスタンスで話し合うと対立を生みやすい。横にいて同じものをみて一緒に考え絵を描いていく。これが「共創のパートナー」のスタンス
- 共創のパートナーとして選ばれ続けるためには、個人も組織も「お役立ちイメージ(お役立ちの使命とビジョン)」が明確で、相手へのお役立ちの仮説を持っていることが求められる
- こうすることで、相手へのお役立ち、相手と共創したその先のお役立ちと、お役立ちが連鎖し、社会へのお役立ちにつながる。このような価値共創の無限サイクルが回るしくみの構築も必要
5.理念統合のマネジメントを実践する
- 理念統合とは、自分のお役立ちイメージと組織の理念の共鳴点を見つけ、理念の実践を通じて、それぞれのお役立ちビジョン実現の行動を取ることをいう。お役立ち道の統合でもある
- マネジメントの一つは、セルフマネジメントである。自ら、お役立ちイメージの醸成、実現のためのスキルを磨く、ダブル・ループ学習(C.アージリス提唱)で成長し続け、ビジョン実現に向かうことである
- もう一つは、ラインマネジメントである。メンバーの情況を見極め、時にはリードし、時には後押しし、時には伴走することで、メンバーとチームのお役立ち道の仕事ぶりを高めていくことである
ジェック内での事例は?
Q.これまでにいろいろとお伺いをしてきました。実際に、お役立ちイメージを描いて、新たな価値の創造、新たなチャレンジをした事例がありましたら教えてください。
A.いろいろありますが、最近では営業メンバーの一人が「九州市場を開拓したい」という企画を練り上げ、腹を決めて動き出しました。すると社員みんなが、自動的に支援するんですね。それは、一緒に成し遂げる楽しみを知っているからです。
こういうお客様候補がいるよとか、この会社がこういう社員教育をしているとか、九州に出張で行くから新規開拓訪問するよ、とか、情報や協力がどんどん営業メンバーに集まり、幾つもの案件になっていきました。一人の人間が本気で動き出したことによって、周囲が共鳴しだしたのです。
数字的にも当初の売上目標をクリアして、九州市場へのお役立ちの道筋が見えてきました。コロナ禍の影響で一時中断してはいますが、この状況が変わればまた動き出す予定です。
経営者の皆様へのメッセージ
Q.事例も出てきているということは、ジェック自体の「お役立ち道経営」の実現も近いということですね。最後に、「お役立ち道経営」を目指している経営者の皆様へのメッセージをお願いします。
A.ジェック自体の「お役立ち道経営」の実現も近いということでしたが、「お役立ち道」はお役立ちを究め続けるということですから、進化し続けることが前提です。そういう意味では、ゴールは無いのかもしれないですね。
「お役立ち道経営」を推進することで、より多くの人に、自分との向き合い方、何を成し遂げたいのか、何が喜びなのか、それをつかんで欲しいと思っています。これは、今、言い始めたことではありません。私自身、長年社員とともに取り組み続けてきた結果、「私はこれを成したい」「私の強みはこれだ」ということをつかんだ社員も少なからずいます。そういう人たちを見ていると、とても安心できます。社長である私と、責任の大きさは違いますが、私にとってのビジネスパートナーであり相談相手なのです。お客様のために、社会に貢献できる価値を創造し続けていく。社員が向いている方向は一緒でも、一人ひとりが違う「強み」や「お役立ち道」を持っています。一緒に歩むことができる貴重な共創のパートナーなのです。
人間には、自分が成し遂げたい「何か」があります。それはその人にしかできない「何か」です。より多くの人たちに、自分だけの「何か」を見つけていただけけたらと考えています。
私は、ジェックの経営者として、メンバーが実現したいと願うことに対して、会社として全面的なバックアップをしていきます。それがこのジェックの経営姿勢だからです。
さらに、多くの経営者は、市場へのお役立ち、さらに組織のメンバーがやりがいや誇りを持って仕事に取り組んで欲しいと願っています。そういった経営者の皆様や経営されている組織の皆様と、より良い社会を創る「共創のパートナー」として、共にイノベーションを起こしていくことを望んでいます。
ありがとうございました。
(おわり)「お役立ち道経営」記事一覧
※この記事は、外部ライター様による葛西へのインタビュー記事です。