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アフターコロナの「未知の時代」を乗り切る仕事改革 第3回 1on1ミーティングのジレンマ

アフターコロナで常態化したオンライン業務。業務自体は、進むようになったものの、メンバーのモチベーションアップや、成長につながっているのか、ジレンマを感じているリーダーも多いのではないでしょうか。

今回は、メンバーのモチベーションアップや成長を促進する「1on1ミーティング」をオンラインで行う場合の、リーダーが日ごろから留意したい点についてまとめました。


目次[非表示]

  1. 1.ここ数年で「1on1 ミーティング」を実施する企業が増えている
  2. 2.テレワークが「1on1」の効果を下げている?
  3. 3.自らメンバーのコンディションをキャッチする努力を!



ここ数年で「1on1 ミーティング」を実施する企業が増えている


ここ数年でリーダー(上司)とメンバーの「1on1(ワンオンワン)ミーティング(以下、「1on1」と略)」を実施する企業が一気に増えたようです。

「1on1」の目的は、メンバーの自主性を高め、能力を最大限に引き出すことです。そのために、リーダーは、メンバーの言葉を傾聴し心理的安全性を高めることでリーダーとの信頼関係を深め、メンバーの自由な発言・発想から、メンバー自身の気づきやモチベーションの向上、さらにはイノベーションを促します。

「1on1」が一般的になるより前から、「面談」「対話」という名で定期的にリーダーとメンバーが話し合いの場を持つ企業はありましたが、あくまでも「仕事の進捗確認」の意味合いが強く、メンバーの自主性を高め、能力を最大限に引き出すことを目的とはしていませんでした。私は2017年にダイヤモンド社から発売された『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』(本間浩輔著)が、「1on1」の促進に火をつけたと感じています。

当時この本を読んで驚かされたのは、ヤフー社が上司とメンバーとの「1on1」を1週間に1回実施しているということです。現場からの反発を乗り越えてでも、1週間に1回というルーティンをつくり、成果につなげている点は本当に素晴らしいことです。

当社のお客様からも、「『1on1』を導入したい」「マネジャーの『1on1』スキルを高めたい」といった相談を多くいただきます。上下のコミュニケーションを密にすることがパフォーマンス向上につながることは間違いありませんので、ぜひ多くの企業様に取り組んでいただきたいと考えております。



テレワークが「1on1」の効果を下げている?


しかし、新型コロナ禍によるテレワークの普及により、状況が大きく変わりました。リーダーとメンバーが対面で会う機会が一気に減ってしまったのです。テレワークを導入していない企業でも直行直帰などが増え、結果的に直接コミュニケーションを取る時間が減少しています。

「だったら、Zoom や Webex などのオンラインツールを使ってやればよいではないか」という見解もあると思います。そして、実際にオンラインを活用して「1on1」は行われています。もちろん、一定の効果はあるのですが、日頃対面で接していないので「最近の部下の様子」を十分に認識しないままに「1on1」に入ることになります。

毎日オフィスに出勤していたころを思い出してください。メンバーの様子を見て、「あれ、今日はウキウキしているな。何かいいことがあったな」とか、「ここ最近表情が冴えないな…。うまくいっていないことがありそうだ」と、メンバーの状況をキャッチしていたはずです。また、他のメンバーとの会話や電話の声などからもメンバーの状況をキャッチすることができました。そのような情報を背景に「1on1」を行うことで、現状にフィットした会話を行えていたはずです。

しかし、そのような情報がないままにいきなりオンラインで「1on1」を行うと、表面的な内容に終始してしまい、十分に効果を出せない恐れがあるのです。



自らメンバーのコンディションをキャッチする努力を!


オフィスに出社する機会がかつてより大幅に減っている現在、オンラインでの「1on1」は避けられません。そこで、「これまではオフィスで得ていた情報」を違う方法でキャッチすることが求められます。



まず考えらえるのは、「日報」を進化させることです。その日に実施した業務を記入するだけではなく、「今日のひとこと」「今日のコメント」などを簡単に記入してもらいます。「楽しい1日でした!」と記入するメンバーもいれば、「なかなか難しい状況です…」と書くメンバーもいる。簡単な一言でも、現在の感情が伝わってきますので、コンディションを把握することができます。

また、週に1回でもチーム内朝礼を実施することをお勧めします。朝礼は、Zoom等でつないで行うのが一番良いですが、チャットを使った「文字だけ」の朝礼でも一定の効果があります。「いつも発言している人が最近発言しない」「ネガティブな言葉が出ている」ということだけでも、コンディションを把握することができます。

最後に、「オンライン食事会」「オンライン飲み会」といった雑談を行うシチュエーションをつくることも大切です。雑談の内容を聞けば、そのメンバーが今どのようなところに興味を向けているのかが分かります。また、雑談の内容や話の仕方でモチベーションの状態を把握することもできます。


オフィスに毎日出社していたころは、何気なくキャッチできていた情報を、今は「意図的に」収集する時代に変化しています。ここに気づいているリーダーと、気づいていないリーダーは、既にチームマネジメントに大きな差が出ていると言えます。

 




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松井 達則
松井 達則
株式会社ジェック 代表取締役社長 【経歴】 大手金融会社を経て、2001年ジェック入社、コンサルタントとなる 2018年 取締役就任 2023年 代表取締役社長就任 【お役立ちコンセプト】「自燃型の人財づくり」 自分で考え、自分で動く自律型の人財はもはや当たり前。 自分の心に火をつけ、常に意欲的に行動することで、周りにも火をつける「自燃型」の人財づくりのお手伝いをいたします。

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