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「中堅社員」から「中核社員」へ

中核社員とは

入社10年目の営業社員Aさんが所属するチームはメンバー6名。その中で個人目標を達成したのはAさんを含め2名だけでした。

Aさんは課長と今年度についての対話を行っています。

課長:昨年は厳しい状況の中でよくがんばったね。
Aさん:はい、なんとしてもチームで一番を取りたかったので。営業としての意地です。
課長:そうか、ぜひ今年度も目標達成を目指してほしい。ただ、チーム内で一番を取って満足しているだけでは困るよ。
Aさん:は? どういう意味ですか?
課長:君は自分の数字を高めることで、結果としてチームに貢献している。これからは他のチームともうまく連携して、もっとダイナミックな動きをしてほしいんだ。ぜひ会社全体の業績を引っ張る存在になってほしい。
Aさん:え、でも私は管理職ではありませんし、自分の数字を追うので手一杯です。余計なこ
とをやっていては目標達成ができなくなります。
課長:余計なことではないよ。そろそろ中堅社員ではなく、中核社員になってほしいんだ。
Aさん:…


課長は、Aさんに中核社員になって ほしいようです。中堅社員と中核社 員との違いは何でしょうか?


今の時代、中堅社員では足りない

多くの企業では、まだ管理識ではないものの、チーム内で中心的に成果を出している人を「中堅社員」と呼んでいます。ジェックでは中堅社員のことを「チーム業績の牽引者」と定義付けています。
中堅社員は自分が率先して業績を上げ、チームの目標達成に貢献しようとします。また後輩の面倒も見るなど、人材育成も進んで行います。マネジャーから見ると頼もしい存在です。

「自分は目標もきちんと達成しているし、後輩の面倒もそれなりに見ているから、中堅社員としての責任は果たしているはず」と思っている中堅社員の方も多いと思います。
20年前だったら、「中堅社員」で十分に責任は果たせていたかもしれません。

しかし、今は中堅社員に留まっていては会社の期待に応えられず、責任を果たしているとはいえません。


「個人」だけの動きを卒業する

なぜ、中堅社員では足りないのか? 
それは、中堅社員が「自分が業績を出す」「自分が後輩の面倒をみる」といった、「個人」としての行動に留まっているからです。

景気が良い時期は、一人で考え一人で動いてもそれなりに成果が出ます。そして個人の成果の合計がチームの業績であり、会社の業績となります。「自分が目標を達成する」ことが大きな責任です。
一方で、市況が冷え込むと一人ひとりの知恵では到底立ち行かないケースも多く、個人の成果が出にくくなります。皆さんの職場でも、以前より個人目標を達成するのに苦しんでいませんか?

一人の知恵よりチームの知恵。チームの知恵より全社の知恵。組織全体が連携し、さまざまな知恵を出し合って総力戦で市場に臨むことが求められています。そして、実際にそのような企業は、不況下でも業績を伸ばしています。
では、誰が組織力を高めるための中心となるのか。それこそが「中核社員」です。


組織を動かすキーパーソンとなる

ジェックでは、中核社員を「会社の未来創造者」と定義づけています。中堅社員は「チームの」 という視点でしたが、中核社員は「会社の」と、より大きな視点になっています。

中核社員は、自チームのみならず、会社全体のことを考えます。会社がどのような戦略を出しているか、そして他の部門がどのように動いているかを察知し、自チームがどのようなパフォーマンスを取るべきかを考えます。
また、他部門が一層の強みを発揮するために、自チームがどのように関わっていけばよいかを考え、実際に働きかけを行います。全社の連携が良くなれば、結果として業績が達成しやすい状況になると考えます。

中核社員は「未来創造者」です。目の前の成果だけにとらわれず、3年後、1年後を考えて、今から種まきを行います。自分の業績を高めるだけの種まきではありません。チームと全社が強くなるための種まきです。
このような行動を取るために、中核社員には下記のような要素が必要となります。

①フォロワーシップ

会社やチームがより良い成果を出すための提案および取り組みを行い、上司をフォローする。

②リーダーシップ

後輩の強みを引き出し、チームの相乗効果を出す。

③メンバーシップ

他部門を巻き込み、全社的な改革に向けての行動を起こす。

④パートナーシップ

お客様と共創しながら、新たな市場をつくりだす。


中核社員はマネジャーではありません。プレイヤーです。現場を、そして顧客を最も把握しているプレイヤーだからこそ、会社のキーパーソンとなることが求められます。


*この記事は株式会社ジェックの「行動人」444号より転載・加筆いたしました。

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