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新人の離職防止のキーパーソン・OJTリーダーを育てる

新人の離職防止が多くの企業課題となっている今、現場での新人育成担当者であるOJTリーダーは、新人と会社をつなぐ存在として活躍が期待されています。そして、OJTリーダーにとっても、その役割を果たす(新人との関わり方・計画の立て方・新人心理を理解しながら指導する等)ことで、間違いなく、自分自身の成長へとつながります。


OJTリーダーが必要な理由

OJT(On The Job Training)は、新人育成などで多く取り入れられています。先輩社員が後輩に対し、業務に必要な知識やスキルを実践しながら伝えていくというやり方です。
その育成担当がOJTリーダーです。
OJTリーダーとともに業務に取り組むことで、新人は、仕事の流れや業務に必要なスキル、社会人としての知識や行動を理解できます。また、慣れない新人にとっては、分からないことがあったらすぐに聞ける相手がいるということで、心配事や不安でストレスを抱えこまずにすみます。

しかし、そのOJTリーダーの役割がうまく機能していないと、マイナスに作用してしまいます。


うまくいかないOJTリーダーの傾向

現場での育成担当といっても、事前に知識を習得し研修を受けて臨むこともあれば、上司からいきなり任命された、とりあえず先輩がやっていたように見よう見まねでやっている、ということもあるでしょう。悪気なく自分としては当たり前だと思ってとっている行動が新人にどのような影響を与えるか、うまくいかないことが多い行動傾向をまとめました。

行動傾向の元となるものは、その人なりの考え方(行動理論)です。
「放任」タイプは、「自分が新人の頃はいちいち教えてくれなかったから、自分で努力して覚えた。新人の時には、指示待ちでなく、分からないなりに自発的に動くのが当たり前だ」という考えがあるかもしれません。
自分の経験や知識、そこから培われた価値観が行動に影響を与えます。それは人それぞれです。
しかし、新人を自組織の未来を担う戦力として育てようとするとき、より「成功確率の高い考え方」に、考え方を変えることで行動傾向が変わります。


新入社員とのコミュニケーション

「新人とコミュニケーションをとりづらい、どうすればいいかわからない」という声もよくお聞きします。それはなぜでしょうか。新人側が仕事や社会人としてのマナーを理解していないということもあるかもしれませんが、受け入れ側の上司や先輩に問題があることも多いようです。気を付けたいポイントをまとめました。


➤忙しいオーラを出さない

「忙しそうだから、話しかけづらい・・」ということになると、新人とのコミュニケーション
   はうまくいきません。忙しくても、新入社員が話しかけようとしている姿を察知したら、笑顔で「どうしたの?」とこちらから声を掛けてあげるくらいの余裕が欲しいところです。

➤傾聴の姿勢

傾聴の姿勢とは「相づち」「言葉の繰り返し」「アイコンタクト」等、聴いている姿勢を示すことです。これは、お客様に対しては誰しもが意識していることですが、社内ではできていない人が多いようです。パソコンを叩きながら/書類を書きながら、相手を見ないで話を聴くなどということは、絶対にしてはいけません。

➤メモを取る

新人から質問や相談を受けても、すぐに対応できないことがあります。そのような場合は確実にメモを取り、記録に残しましょう。私たちは、新人に対して「メモを取るように」と指導しています。にもかかわらず、自分がメモを取らず、新人への対応を「忘れた」となっては、お手本にはなりません。

➤簡潔に話す

ただでさえ、緊張している状態の新人に、「あれもこれも」と一気に話をしても頭には入りません。「さっき言ったのに何で忘れているのか?」ということがあったら、それは、自分の話し方が良くなかったのだと思ってください。「これから話すことは2点あります。1点目が~、2点目が~の件です。まず、1点目から話すね」と整理しながら話してあげると、メモも取りやすく、新人の頭に入りやすくなります。

➤理由やメリットも伝える

私たちからすると「当たり前」と思っていることでも、新人にとっては「なぜこれをやらなくてはいけないのか?」と感じることもあるはずです。
「今日中に○○の資料を作ってもらえますか(指示)。というのも、明日の会議で他のメンバーに○○の進捗を説明してもらいたいからです(理由)。」といった具合に理由をしっかり伝えましょう。また、「他のメンバーからアドバイスをもらえるいい機会になりますよ(メリット)」とメリットも伝えると、さらに前向きに行動してくれるようになります。


新入社員のタイプ

同じように接していても、効果が出る・出ないがあります。それは、一人ひとり違っているからです。ここでは、おおまかに4つのタイプにまとめました。

タイプ
特徴
留意点

慎重型

周りを見て行動
素直で正確な仕事

「正解」がないと不安

ドライブ型

成果を出したい
成長意欲がある

プライドが傷つくと
やる気がなくなる

親和型

いつも感じが良い
周りに大変気を使う

嫌われると気を病む
一人で抱え込む

分析型

効率的な仕事ぶり
ロジカルに考える

納得できないことは
やりたくない


新人もOJTリーダーも成長できる組織

前段のコミュニケーションなど、OJTリーダーに必要な知識やスキルはいろいろあります。しかし、スキルを習得しただけでは十分と言えません。

まずは新人にどう向き合うかという、OJTリーダーの姿勢(考え方や行動)が重要になってきます。「忙しいのに新人の面倒を見ないといけないなんて困る」「なんで自分なんだ、押し付けられた(貧乏くじを引いた)」など気持ちは言動の端々に出ます。そして新人はそれを感じ取るでしょう。


これはOJTリーダーだけの話ではありません。現場の上司などの言動からも、「ここで大丈夫だろうか」「採用の時の話と全然違う」と不安や不信を感じることは少なくありません。新人の育成は組織の未来に関わることです。新人を含めたメンバーが成長できる環境づくり(仕組みや制度、組織文化の醸成等)が必要です。
そうすれば、「真摯に向き合って、自分の成長を喜んでくれる、間違っていたらきちんと指導してくれる。こんな人たちがいる会社なら自分も成長していけるかもしれない」と、新人は期待と自信が持てるはずです。
次代のリーダー候補であるOJTリーダーにとっても同じです。



※参考:OJTリーダーコース

  OJTリーダーコース|株式会社ジェック 「OJTリーダーコース」は、効果的な新入社員育成をするための、指導役となる先輩社員「OJTリーダー」の育成力向上のためのコースです。 株式会社ジェック



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