好ましい組織文化とは
組織文化の正体とは
組織文化とはなんでしょうか。
組織文化、組織風土、企業文化など組織の特徴を表現する言葉はいろいろあり、意味合いは少しずつ異なりますが、組織には、そこに所属する多くの人が共有している価値観、行動様式が存在します。
組織文化とは、「ある組織において、メンバー間で無意識、または暗黙のうちに共有される価値観や行動様式のこと」です。
「組織の大多数のメンバーに根付いている暗黙の当たり前(考え方・行動習慣)」ともいえます。
例えば、「挨拶するのが当たり前」の組織では、そうでない組織よりもコミュニケーションが多いでしょうし、「主催者は会議前には資料を共有し、参加者はアジェンダを把握して臨む」が当たり前であれば、会議時間は短い傾向にあるのではないでしょうか。
それでは、企業として、好ましい組織文化とはどのようなものでしょうか。
強い企業が持つ組織文化~組織文化を測る「組織文化診断」
その前に、企業の使命について考えましょう。
企業の使命は「社会/市場/顧客に対するお役立ち」であり、その使命を果たすために必要なのが利益です。また、利益は、お役立ちの「結果」であるとともに「明日もお役立ちするための必須条件」です。
組織文化が、この企業の使命とかけ離れたものとなっていれば、使命を果たすことが難しいと言えます。
そこで、長く続いている企業が掲げている社是や企業理念を見てみました。そこには共通の要素があります。
それは、「挑戦」「協調」「貢献」の3つの考え方・価値観を持ち続けていることです。
社会やお客様に貢献するために挑戦する、そのために知恵を出し合い協力し合うという価値観が企業のDNAとなっているのです。
ジェックでは上記の仮説を基に、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科と共同で、この3つの価値観で企業の組織文化を測定する組織文化診断を開発しました。
以下の4つの評価軸で、「市場へのお役立ちに向かって結束してチャレンジし、新たな価値を創造し続ける」ことに最上位の価値を置く組織文化を目指すべき組織文化としました。
(※「貢献」はジェックの用語として「お役立ち」と変えています)
組織文化と業績の相関
組織文化診断開発において、さまざまな業界にアンケートを取った結果、組織文化と業績には「正の相関関係」があることが分かりました。
また、それぞれの価値観も因果関係があります。
・社員が働くインフラとしての共通基盤が整っていれば社員は安心して働け、それによって業績向上の後押しとなる
・役に立つという喜びを体感できるという状況をつくれれば、業績が生み出される
・強調し合う価値観を高めれば、知恵のシナジーが生まれ、業績向上が後押しされる
・上記の状態になることで自信がうまれ、さらによくしようという挑戦の価値観が醸成され、業績に好影響を与え、継続的発展につながる
「お役立ち道」の組織文化
ジェックでは、3つの価値観すべてが高い状況の組織文化を「お役立ち道の組織文化」と名付けています。
・企業が社会/市場/顧客/社員へのお役立ちを第一とするのは当たり前
・先が読めない今の時代、常に新しいことに挑戦し続けるのが当たり前
・今まで通りのことをやっているだけではマイナス、変化や挑戦は当たり前
・セクショナリズムなどナンセンス。部門部署の壁を乗り越え、知恵の相乗効果を生み出すのが当たり前
と、大多数の人が本音で思っている組織文化です。
参考として、3つの価値観の強弱で組織文化の傾向をご紹介します。
先の読めない時代に、市場や顧客に選ばれ続けるのは、よりよい社会づくりのために、新たな価値を創造しつづけることができる企業です。
組織文化診断では、組織文化傾向で強みや改善点を認識できるだけでなく、その結果から、経営戦略として何を重点施策として取り組むべきかを可視化することができます。
〈参考〉