SDGs・ESG経営と「お役立ち道」―企業と個人が共に成長する未来


SDGs・ESG経営の潮流と背景

近年、持続可能な社会の実現に向けて、企業にはSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)を意識した経営が強く求められるようになってきました。気候変動対策や生物多様性の保護といった環境問題、ダイバーシティ&インクルージョン、働き方改革などの社会的課題、そして経営の透明性や説明責任といったガバナンスの強化など、企業は単に利益を追求する存在から、社会にとって存在意義を問われる存在へと変化しつつあります。
 
こうした潮流は、消費者の価値観の変化、投資家の評価軸の多様化、従業員の仕事観の進化といった外的要因と、企業自身の持続可能性への危機意識という内的要因が相まって、今後ますます加速していくと見られます。


持続可能な経営がもたらす “働きがい” 

SDGsやESGに取り組む企業では、「社会的意義のある仕事がしたい」「誰かの役に立つ実感がほしい」といった、内発的な欲求に応える職場環境づくりが重視される傾向にあります。たとえば、サプライチェーン全体での環境配慮や、地域コミュニティと連携したプロジェクトなどに社員が関与する機会が増えることで、自らの仕事が社会課題の解決に直結しているという実感が得られます。
 
このような経験は、日々の仕事に意味や誇りを見出すことを助け、自己成長意欲やエンゲージメントの向上につながっていきます。単なる作業や目標達成の繰り返しではなく、「私の存在が誰かのためになっている」と感じられることが、今、企業の働きがい創出において最も重要な要素となりつつあります。


ステークホルダー資本主義の視点から

世界経済フォーラムや多国籍企業の経営層が提唱する「ステークホルダー資本主義」は、株主の利益最大化のみを追求する株主資本主義とは一線を画します。社員、顧客、取引先、地域社会、そして未来世代をも含めた広範なステークホルダーに対して価値を提供し続けることが、企業の本質的な成長につながるという考え方です。
 
この考え方に基づく経営は、従業員に対して「一人の労働力」としてではなく、「価値創造のパートナー」としての関わりを求めます。その結果、従業員は単に働かされる存在ではなく、自らの意志と創意工夫によって、組織や社会に貢献しているという実感を持ちやすくなります。


「お役立ち道」という補助線

ここで私たちは、「お役立ち道」という視点を紹介したいと思います。「お役立ち道」とは、人や社会に役立ちたいという人間本来の意識を出発点に、仕事や組織活動を通じて“お役立ちの精神と技量”を磨き続ける働き方のあり方です。
 
この考え方は、社員一人ひとりが「自分の中のお役立ちイメージ=自分は誰に、どのように役に立ちたいのか」を明確にし、それを組織の理念やビジョンと重ね合わせることで、より深いレベルでの仕事へのコミットメントを可能にします。「組織のために」ではなく、「組織とともに」社会に価値を届けるという姿勢が育まれます。


SDGsやESG経営が指し示すのは、企業単体の成長ではなく、社会全体の持続的な発展です。そしてその道のりは、個人が“自分らしく、誰かの役に立つ”ことを実感しながら働ける組織風土によって支えられます。
「お役立ち道」は、まさにこの組織と個人が共に進化することを促す思考軸として活用することができます。
 
こうした道をともに歩むことで、企業は変革を遂げ、社員はより豊かな自己実現を果たすことができ、その相互作用が、社会にとっても持続的な価値創出につながっていくと考えています。


変化の時代に必要な “働き方の再定義”

VUCAやBANI※と呼ばれる不確実性の高い時代においては、業務の正解が見えづらくなり、個々人の判断力や創造力がますます問われています。このような状況下で必要なのは、「働かされる」から「働くことに意味を見出す」への考え方の転換です。

※参考:「BANI」(バニ)と「お役立ち道」
https://oyakudachi-do.net/blog/c116know


SDGs・ESG的視点は、単に組織のルールを変えるだけでなく、働く一人ひとりの内面にある価値観や目的意識に光を当て直す機会を与えてくれます。「何のために働くのか」「自分は何に貢献できるのか」という問いに対して、組織も個人も向き合う必要があります。
 
このとき、「お役立ち道」は強力なヒントになります。それは、個人の働きがいや自己実現が、社会貢献と調和する姿を描くことで、働くことそのものに意味と力を与えてくれるからです。


まとめ

企業がSDGsやESGといった社会的責任を果たしていく姿勢は、単なる時流ではなく、組織の価値と個人の働きがいを結びつける新しい経営のカタチです。お役立ち道の考え方は、その実現を支援するための土台となり得ると考えています。これからの企業は、社会のため、そして共に働く人のために、「お役立ち」を軸にした経営と人づくりに挑戦していくことが求められるでしょう。
 
その先にあるのは、企業と個人が共鳴し、持続可能な社会を共に創る“お役立ちの未来”です。



※参考:お役立ち道経営をより深く知りたい方はこちらもぜひご参照ください。
▶お役立ち道ねっと:「より良い社会をつくる『お役立ち道経営』とは」

  より良い社会をつくる「お役立ち道経営」とは より良い社会をつくる「お役立ち道経営」とはどんなものでしょうか?経営のあり方について、解説しました。 お役立ち道ねっと


株式会社ジェック 川田隆也
株式会社ジェック 川田隆也
イノベーション共創部所属。理念に基づく組織変革と人材開発の理論構築・実装を担当。持続可能な経営を支えるコンサルティング手法の開発と、その社内外への展開に注力している。複雑な時代だからこそ、人と組織の可能性を信じ、変化をともに創り出す姿勢を大切にしている。

CONTACT

経営変革・人材開発・組織開発にお悩みなら
お気軽にご相談ください

お客様の関心の高いテーマに
関連した情報を定期的に配信

ジェックのお役立ち資料は
こちらから

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください

サービス資料

SERVICE MATERIALS

ジェックのサービス資料はこちら

メルマガ登録


人気記事ランキング


タグ一覧