行動を変え、継続させるにはどうすればいいのか
「こうしよう」「やってみよう」とその時は決意してもなかなか続かない、そのような経験はありませんか。
どうしたら学んだこと(新たな行動)を継続できるのでしょうか。続ける必然が切羽詰まっていれば、意志の力で続けることはできますが、そうでない場合はなかなか難しいのが実態です。
研修を受講したり、新たな知識やスキルを習得したりして、「よし! 変わるぞ」と行動してみたものの、すぐに以前のやり方に戻ってしまったという経験はありませんか?
今回は行動変革の「継続」について考えます。
続かない3つの原因と対策
行動を変えようとしても、その行動が継続しない原因と対策を整理します。
原因1:これまでの習慣が邪魔をする ~脳の性質~
脳は無駄なエネルギー消費を回避し、節約しようとする性質があるため、繰り返し行われる行動はパターン化し、無意識に行うようになります。そのため、これまでの習慣を変えようとすると、「脳の抵抗」つまり違和感や不快な感情が生じ、結局習慣を変えられない、という状況に陥ります。
➤対策:「行動コントロール法」を実践する
違和感や不快な感情を克服しようとすると疲弊します。不快な感情を持ったまま、行動だけに意識を置いて、行動をコントロールする「行動コントロール法」を実践しましょう。人は『繰り返される同一の感覚に鈍くなる』という特性があるため、慣れると違和感がなくなります。
原因2)目標などやろうとすることが大きすぎる
何かを達成しようと思うと、つい「徹底的に」や「大胆に」など高く難しい目標を掲げがちですが、これでは挫折に繋がりやすくなります。
そして、「やはり自分はダメなのだ」などの自己否定から、徐々に挑戦しなくなるという悪循環に陥ることに。
➤対策:「スモールステップ」で、できる限り小さくする、具体的な行動にする
困難度を下げたり、時間を短くしたり、具体的な行動にしてとりかかりに意志の力を極力使わないようにしましょう。これまで自動化されている習慣と組み合わせると、より効果的です。
原因3)手ごたえがない、達成感を得られない
心地よい気分は、新しい行動を脳に定着させる働きがあります。日々の中で得られる「達成感や変化の手ごたえ」「ポジティブ感情」が沸くことが継続を促します。しかし、新たな行動をした際に、うまくいっても当たり前のように評価されたり、うまくいかなかったら即ダメ出しをされたりだと、新たな行動へのチャレンジすらできなくなります。
➤対策:より効果的な「振り返り方」をする
うまくいったこと・うまくいかなかったこと両面からフラットに振り返りましょう。
文章化や見える化をすると、より客観的に振り返ることができます。それによって、うまくいったことは再現性が高まり、うまくいかなかったことは対策が十分に打てます。また結果だけでなく
プロセスに着目して振り返ることで、手ごたえを感じ、継続に繋がります。
より効果的な「振り返り」を促進し、継続をサポートするために
学んだこと(新たな行動)を継続できない要因としては、上記以外にも「時間が経つと忘れてしまう」や「現場でやってみたがうまくいかなかったし一人ではがんばれない」の声もよく聞きます。では、具体的にはどのような手を打てばよいでしょうか。
<打ち手例>
◆学んだ内容を復習できる環境をつくる(eラーニングや勉強会の実施)
⇨それにより、忘却を防ぎ、学びの理解を深める
◆変えたい具体的な行動をチェックリストなどで自己チェックする
⇨自ら現場で実践できたかを定期的にチェックすることで変化への意識を維持する
◆行動変化をグラフなどで見える化していく
⇨変化を見える化することで、自分の成長度合いを客観視できモチベーションが保たれる
◆上司や研修採用窓口など関係者が、行動変化の度合いを確認できる環境づくりをする
⇨見守りや励ましなどで、挫折を防ぐ
行動を変えることは、簡単なことではないかもしれません。
しかし、変えるチャンスは日々あります。研修やOJTなど実務の現場で、上記のような打ち手を実施してみることで変わるチャンスをつくっていきましょう!
<参考:行動変革をサポートする仕組み>