「行動変容」を促すメタモニタリングスキル (3)行動の定着を阻む6つの関所
ダブル・ループ学習で、「行動を支配する価値観」を振り返り、三階層で可視化をして、修正をする。このプロセスで、「行動変容」ができるようになると、これまでに確認をしました。
しかし、新しい行動が、定着するかというと、必ずしもそうではありません。
一過性の「行動変容」から、「新しい行動様式」の定着へ。
行動の定着のプロセスと、それを阻む6つの関所についてご紹介します。
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なぜ「新しい行動」は定着しないのか?
今、世間では緊急事態でありながら、「緩み」が出てきており、リバウンドが懸念されています。
多くの方は、緩むことなく、新しい生活様式(行動様式)を続けていらっしゃることと思いますが、振り返ってみれば、1回目の時より、2回目の今の方が、確かに「緩み」が出ているように思います。
それはなぜなのでしょうか? 筆者自身の「緩み」の原因を羅列してみました。
- 「ここまでなら大丈夫」という、自分なりの「緩ませ方」の基準ができてきた
- 先が見えないなか、いつまで続ければ良いのかという不安があり、疲れてきた
- 正直疲れた。前の生活様式が懐かしい・戻りたい
- 必要だとはわかっていても、新しい生活様式にどうしても馴染めない。不快感が伴う
このように、さまざまな要因が絡み合って、結果的に「緩む」のではないでしょうか。
これは、緊急事態に伴う「新しい生活様式(行動様式)」に関わらず、どのような場合においても、「行動変容」をし、新しい行動を定着させようとすると、突き当たることになります。
これを、ジェックでは、「6つの関所」としてまとめています。
6つの関所
6つの関所は、以下の通りです。
簡単に解説します。
- 納得の関所 … 行動を変えることに対して納得がいかない
- スキルの関所 … 新しい行動に必要なスキルが無いため、行動が変えられない
- 「やってみる」の関所 … 慣れていないことに対して、「まずやってみる」とならず躊躇する
- 振り返りの関所 … 「変化」していることより「できていない」ことに目が向く
- 継続の関所 … やっていることに対して手ごたえが無い
- 定着の関所 … 組織としての行動変容(変革促進)につながっていない
いかがでしょうか。
また、この関所は、行動変容(定着化)のプロセスでもあります。
つまり、行動変容・定着化には、こういうプロセスをたどるものであり、その時々での乗り越え策を知っていることで、着実に変革を促すことができるのです。
特に、組織で仕事をしている我々は、一人ひとりの行動が変わるだけでなく、組織全体で変わっていく、また、それを支援する制度や仕組み、マネジメントも同時に変えていくことが肝要です。
ぜひ、このプロセスを意識しながら、行動変容・定着化を進めることをお勧めします。
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