真にお客様の立場で考えるためには? ~いま、実現するお役立ち道経営 第4回
企業として、お役立ち道の文化を作るためには、「お役立ちの価値観」「挑戦の価値観」「協調の価値観」を高めることが必要であることをお伝えしてきました。しかし、「そうはいっても、なかなか難しそう・・」と思った方も多いのではないでしょうか。
今回は「私たち一人ひとりが日々意識すること、行動すること」を考えていきたいと思います。
まず、「お客様の役に立つ」ということを考えたときに思いつくのが、お客様の問題を把握するといったことです。お客様の問題を解決できれば、大きくお役に立てるからです。では、お客様の問題を把握するのは簡単でしょうか?
結論から言いますと簡単ではありません。なぜなら、一企業人としてお客様を見ると、どうしても自社の商品・サービスを頭に置いて考えてしまう人が多いからです。
例えば、皆さんが飲み物を製造している飲料メーカーの社員だった場合、お客様である食品スーパーの問題をどう捉えるでしょうか?
「この食品スーパーは、あまりお茶が売れていないな」「安売りをしているから、飲料では利益が出づらいな」など、どうしても自社のカテゴリー中心にお客様を見てしまいます。
一方で、お客様である食品スーパーからすると、飲料コーナーは広い売り場の一角に過ぎず、他のコーナーにも悩みがありますし、そもそも「人が足りない」「集客がうまくいっていない」「近くにライバル店ができた」等、様々な問題を抱えています。
それどころか、「なかなか売り上げが上がらないけど、なぜなんだ・・」と、何が問題か分からないというのが本音のことも多いのです。
では、どうすればお客様の問題が把握できるか?
それは、「お客様のお客様のニーズ」を考え抜くことです。例えば、ある食品スーパーの主要顧客が60代だった場合、「60代の方々が望んでいる事、困っていることは何か?」ということを考えるのです。そして、60代のニーズに対して、その食品スーパーは応えられているのかどうかを見ると、問題が浮かび上がってきます。
昨今では、多くの60代は元気に仕事をしています。その一方で、高齢の親御さんの介護をしたり、お孫さんの世話をするなど、非常に忙しくしている人も多くいます。では、その食品スーパーは「時間がなく忙しい人を意識した」商品構成や売り場づくりをしているのか。それも、30代・40代ではなく、60代だからこそ喜ぶ店づくりなのか。それを徹底的に考えてみるのです。
ただ、「でも、私は食品スーパーの専門家ではないし、良いアイデアが出てこない…」という人もいます。
専門家ではないからいいのです!
生活者として、良い意味での素人目線で「お客様のお客様」を考えるからこそ、専門家では考えつかない様々な問題が見えてくるのです。
なお、「お客様のお客様」のニーズや変化を考える際に必須になるのは、「いま世の中で起こっている社会課題」です。先ほどの60代の例も「老々介護」等の社会課題に目が向いていることで、様々なニーズが浮かび上がります。
お客様のお役に立つための前提は、社員一人ひとりが世の中の社会課題にアンテナを立てていることなのです。
「世の中の役に立ちたい」「お客様の役に立ちたい」と本気で考え、仕事のレベルを高めていくことを「お役立ち道の仕事ぶり」と呼んでいます。
そして、社員同士が手を取り合って様々なことにチャレンジし、よりお役に立てる仕事を創り出していく経営を「お役立ち道経営」と呼んでいます。
このブログでは、社員一人ひとりがお役立ち道の仕事を極め、自分らしくやりがいを持って仕事をする企業をつくるためにはどうすればよいかを考えていきます。
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