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ビジョン実現に向けて、現実と向き合い、行動する

あなたのキャリアをデザインしよう!第6回

目次[非表示]

  1. 1.キャリア・カウンセリングの落とし穴
  2. 2.ビジョンは描けど行動せずとならないために
  3. 3.現実と向き合い、現実を変えていく喜び
  4. 4.やってみよう・現実と向き合い行動するための「問い」


キャリア・カウンセリングの落とし穴

キャリア・カウンセリングの落とし穴は「自分がわくわくできるキャリア・ビジョンは描けました。
でも、ビジョンを描いて終わりです」となってしまうことです。
―ビジョン実現に向けて、合理的な計画を立てる―とは、「ビジョン実現のために、〇年後までに○○を達成する」という明確な目標と計画を立てることです。

キャリア・ビジョンとは「自分は将来こうなりたい」という展望です。
目標とは「いつまでに何をどれだけ達成するか」が明確になったものを言います。

例えば、「自分は将来的には企画・開発の分野でキャリアを積み、企画開発マネジャーになりたい」がビジョンだとすれば、目標とは「このビジョン実現のために、一年後の〇月〇日までに、自分が企画リーダーになって開発した商品を最低1商品、社内承認を取って市場に出す」といったものです。

そして目標が定まったら、目標達成に向けた合理的な計画が必要です。合理的な計画とは、道理にかなっていて、無駄がない計画のことです。

ビジョンは描けど行動せずとならないために

ビジョンは描いたけれど行動を取らない人の多くは、「明確な目標」と「合理的な行動計画」がない場合が多いのです。まずは「目標」と「計画」をしっかり立てましょう。


そして、ビジョン・目標・計画を立てたら、それを実行しなければなりません。

実行する際には、現実の壁にぶつかることがあるかもしれません。

しかし、その壁に真正面から向き合い、乗り越えていくことで、自分の描いたビジョンや目標に着実に近づいていくのです。

逆に、行動しなければ、ビジョンは実現しません。
結局、「キャリアは成り行きでできるもの」という人生になってしまいます。

「キャリアを考えるときに成り行き任せではいけないのですか」と質問を受けることがあります。私は、「成り行きに任せてよいとき」と「主体的に生き方を選択しなければいけないとき」があると考えます。

例えば「予期せずあるプロジェクトのリーダーを任命され、必死に取り組んでいたら、いつのまにか実力が付き、望むポジションを得ていた」という場合は、成り行きに任せてよいときだったと言えます。

しかし、いつも成り行き任せでは、「目の前の仕事に必死に取り組んで成果も出してきたけれど、気が付けば、自分が望んでいない分野のキャリアばかりを積んでしまった。
こんなはずではなかった」となってしまうおそれもあるのです。

やはり、自分が描く将来のビジョンに向けて主体的に行動し、その実現を目指してほしいものです。


現実と向き合い、現実を変えていく喜び

キャリア・カウンセリングを通じて、私が願っているのは「ビジョン実現に向けて、現実と向き合い、現実を変えていく喜び」を体感していただきたいということです。

カウンセリングを受けて、気分が晴れたとか気持ちがすっきりした、と感じていただくことはもちろん大切ですが、キャリア・カウンセリングである以上、その方のキャリア(=生き方そのもの)が良い方向に変化し、現実そのものも良い方向に変わっていくことを目指したいものです。


現実は変えることができるし、未来は自分の手で創ることができます。
そのときに「うちの会社ではやりたいことができないから転職だ」と安易に活躍のステージを変えてほしくありません。
転職したとして、その先にパラダイスが待っているわけではないからです。
転職先でも、自分の思い通りにならない現実の壁はあるでしょう。壁にぶつかる度にステージを変えていては、結局、壁を乗り越える力がつかないまま、水遠に理想郷を探し求める人生になってしまいます。

逆に、いま所属する組織で、自分の想いを実現することができたなら、「自分で組織を変えられる。自分の想いを“ここで”実現できる」という自信につながるのではないでしょうか。

もちろん最初から、何もかも思い通りにできるわけではないでしょう。
新しい企画や新しい仕事の進め方などを組織に提案していけば、「それはうちの部署では難しいよ」と却下される可能性の方が高いかもしれません。

しかし、そこで諦めるのではなく、「どのように提案すれば、企画が通るだろうか」と知恵を出していくことは可能です。

本当に主体的に生きる人は、できない理由を探して諦めるのではなく「どうすれば実現するか」を建設的に考えていきます。
粘り強く交渉したり、提案の質を高めたり、諦めずに何度も提案したり、協力者をつくったり。簡単ではありませんが、粘り強く取り組めば、必ず現実は変わっていきます。

ビジョンに近づく方向で現実が動いていくのです。
ビジョンは、頭の中で描くいわば「空想」の世界です。その空想の世界を自分の手で現実のものにしたときに、私たちは深い感動と達成感を得られるのではないでしょうか。

「現実に翻弄されるのではなく、主体的に現実に働き掛けていく」、そんな生き方を、キャリア・カウンセリングを通じて、支援させていただきたいと思っています。

やってみよう・現実と向き合い行動するための「問い」

1.あなたは将来、仕事や私生活に置いて、どのような状態をつくっていたいですか?(ビジョン)そのビジョンを実現するために、1年後に達成したい「目標」は何ですか?

2.上記の「目標」を達成するための「第一歩行動」は何ですか?
~その行動を取って、目の間の現実を変えていきましょう~



※(弊社季刊誌『行動人』449号より加筆修正)

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