コンセプチュアルスキルとは
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コンセプチュアルスキルとは
コンセプチュアルスキルとは「概念化能力」です。
不明瞭な状況でも「本質を見極められる能力」であり、正しい判断へと導ける能力です。先の見えない今の時代においては、組織や個人のパフォーマンスを最大限に高めるために必要な能力と言えます。
コンセプチュアルスキルそのものは、決して目新しい概念ではなく、学術的に注目されたのは1950年代で、ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏によって提唱され、経営者層に欠かせない能力として扱われてきました。
しかし、変化の激しいVUCA時代に突入したことで、コンセプチュアルスキルはどの層にも必要とされる重要な資質へと変わってきました。
具体的にはどのような能力か
コンセプチュアルスキルは、次のようなさまざまな能力を総合的にとらえた概念です。
・ロジカルシンキング(論理的思考)
・クリティカルシンキング(批判的思考)
・ラテラルシンキング(水平思考)
・多面的視野
・受容性
・柔軟性
・知的好奇心
・探究心
・応用力
・洞察力
・直観力
・チャレンジ精神
・俯瞰力
・先見性
構成する要素としては上記の能力などがあげられます。
これらは、事象から課題を発見し、情報を収集し、解決策を考え実行していくために重要な能力です。
しかし、コンセプチュアルスキルに含まれるさまざまな能力は、専門的な能力やテクニカルスキルのように、スキルとして数値化しやすいものではありません。
そのため、実際の業務にどのように活かされるのかわからないという声もよく聞きます。
そこで、コンセプチュアルスキルに優れた人がどのような特徴や考え方を持つかを見てみましょう。
コンセプチュアルスキルが高い人の共通点
・要約とたとえ話のどちらも得意
・データや根拠を見ながら判断できる
・決めつけや思い込みで話を展開しない
・聞いた話を鵜呑みにしない
・行き詰まったときに新しい視点や切り口を示す
・常に目的思考で考える
・トラブルにも冷静に対処する
・優れたアイデアを次々に打ち出せる
・物事の全体と詳細を同時に把握している
それ以外にも、論理的思考能力が優れているため、「話の筋が通っており、会話の内容が分かりやすい」や、仕事の本質が見極められるため、「仕事を進める上で、最適な方法の選択ができ、仕事を効率的に進められる」など、実務での成果が顕著となります。
つまり、コンセプチュアルスキルを高めると、企業にとってもさまざまなメリットが得られます。
コンセプチュアルスキルを高めるメリット
・本質的な解決策ができる
物事の本質を見抜く力が身につき、課題に対して本質的な解決策を編み出すことができるようになります。本質ではなく表面だけの解決に終始すると、問題が再燃する可能性もあります。
・組織にイノベーションが起きる
固定観念や古いやり方にとらわれず、自由な発送でアイデアが生まれやすくなります。そのため、新たなサービスやビジネスモデルにつながるイノベーションを起こしやすくなります。
・社員のパフォーマンスが向上する
業務の効率的な進め方がわかっているため、高いパフォーマンスを発揮できます。
また、自身の役割に対する理解も深いため、組織の全体のパフォーマンスにも貢献できます。
・リスク回避ができる
知的好奇心や広い視野で見る力を活かして、他者が気づきにくい危険を早期に発見できます。市場のトレンドや最新の法改正などの知識も結びつけて考え、リスクを回避できるので、企業全体のリスク回避につながります。
コンセプチュアルスキルを高めるために
コンセプチュアルスキルは、前述したように、「本質を見抜く能力」として、さまざまな能力が統合されたものであり、スキルとして数値化しやすいものではありません。
つまり、何か一つを学べばすぐに手に入れられるものではないということです。
コンセプチュアルスキルを高めるためには「本質を見抜く思考回路」を磨いていくことです。
具体的には、問題に対して拡散と収縮を繰り返したり、一つひとつの具体とひとくくりにした抽象を行き来したりすることです。
その中で、論理的思考や多面的視野、洞察力や直観力、探求心や俯瞰力などが駆使され、「本質を見抜く思考回路」が統合的に磨かれていきます。
コンセプチュアルスキルを高めるためのツール
ジェックでは、ビジネスシーンで欠かせない「問題解決」において、コンセプチュアルスキルを磨くためのツールをご用意しています。
「MK(問題解決)チャート」
問題解決のためには、まずその問題の本質を捉えるです。
物事を整理し、それぞれの因果関係を正しく捉えて問題の本質を見極める力が必要です。
チャートでは、何が問題かを多面的に拾い出し(拡散)、その中の重要な問題を絞り込む(収縮)ことや、その問題の原因についても拡散と収縮を繰り返していきます。
また、その問題が解決された状態(目指す姿)などの全体を俯瞰しながら考えていくことで、本質からぶれない「問題解決の鍵」を見つけ出し、結果につながるアクションプランの設定ができます。これを繰り返すことで思考回路が身につきます。
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